
英語には過去に何度も苦い経験をしてきました。
今度こそ身につけたいと思うのですが、
何から始めたらいいのでしょうか?

実は、英語を身に着けようと思って
すぐに勉強を始めるのと挫折の原因になります!
今回は事前準備を解説していきます!
これには様々な意見があります。
たしかに日本で暮らす限りでは、英語はほとんど必要ありません。これだけ恵まれている国も多くないので、日本人に生まれたことは、それだけで大きなアドバンテージを持っています。
一方で、より豊かな生活を送るためには、英会話ができると圧倒的に有利です。
英語ができることによるメリットの一例として、以下にまとめました。
- 仕事の幅が広がり、収入が増える
- 日本以外で就職/転職をするという選択肢が増える
- 日本国内で就職/転職をする際にも有利になる
- 今の会社での昇進や昇給に役立つ
- 海外の最新情報をいち早く得られる
- コミュニケーションが取れる人が増え、新しい価値観が生まれる
- できることが増えるので、自信が満ち溢れる
パッと思いつく限りでこれだけあります。その他にも多数あります。
村長は英語こそが、ビジネスパーソンにとっての最高の自己投資であると考えています。それだけ投資に対するリターンが大きいからです。
「英語はできたほうがいい」ということは多くの方が認識されています。それでも始められないのは
・何から始めたらいいのかがわからない
・自分に必要な勉強がわからない
・そもそも本当に自分に必要なのかわからない
など、様々な理由があります。
今回は、「何から始めたらいいのか」にフォーカスして解説していきます!
まずは、英語学習を始める前にやるべきことをご紹介します!
- 目標を明確にする
- 英会話のプロセスを知る
- 自分の現在地を知る
一見当たり前のように見えますが、どれも非常に重要です!
それぞれ解説していきます!
目標を設定することは非常に重要です。
それは、英語を学習する期間が3年から5年、もしくはそれ以上と中長期に渡るからです。
目標設定をすることで次のようなメリットがあります。
- 自分の目指すべき方向が具体的になる
- 今、自分が何をやるべきかが明確になる
- 途中で行き詰まったときの道標になる
- ゴールに到達する可能性が飛躍的に高まる
目標を設定する際は、SMARTを意識することが重要です。
SMARTとは次の単語の頭文字を組み合わせたものです。
- Specific:具体的であること
- Measurable:測定可能であること
- Achievable:達成可能であること
- Relevant:関連性があること
- Time-Bound:期日があること
それぞれの良い例と悪い例はそれぞれ以下のとおりです。
Specific:自分一人でもお客さんと信頼関係を築きながら、英語で商談を進めることができる
Measurable:TOEICで800点を取る、CEFRでB2レベルになる
Achievable:毎朝1時間の勉強時間の確保のために、1時間早く寝る
Relevant:スムーズなやり取りができるようになるため、オンライン英会話で練習をする
Time-Bound:3年後までに海外赴任をするため、来年の人事異動までにTOEIC800点を取る
Specific:海外のクライアントと英語で話ができるようになる
→単に挨拶ができればいいのか、仕事の話ができるのかが不明瞭
Measurable:英語がペラペラになる
→何をもってペラペラとするのか不明瞭
Achievable:毎日3時間勉強するために、睡眠時間を削る
→体調や本業に支障をきたす可能性があり本末転倒
Relevant:TOEIC800点のために、オンライン英会話をやる
→目標に対する手段としては遠回りになる
Time-Bound:10年後くらいには英語が話せるようになる
→期日が明確でない上に、超長期スパンの目標は挫折のもと
→最長でも3年程度で設定をする
目標設定の具体的な方法については、関連記事をご参照ください!

今日決めた目標でゴールまで走り続けることができればそれでいいです。
ただ途中で目標を変えるときがあります。それでもいいんです。
最初の目標に向かい続けなければならないというルールはありません。目標が変わったなら、軌道修正をしましょう。
そのくらい柔軟に考えたほうが、最初の一歩を踏み出しやすいです。
目標設定に時間をかけすぎてしまって動き出しが遅くなると時間がもったいないです。その瞬間に直感で「これだ!」と思ったものに進んでみて、途中で「やっぱりこっちだ!」と思ったら進路変更をしたらOKです。
大切なのは、立ち止まらずに進み続けることです。
会話をするとき、脳の中でどのようなことが行われているかご存知ですか。
第二言語習得理論という学問の中で、次の5つのステップに分解できることが明らかになっています。

それぞれ解説をします。
知識データベースとは、「知識として持っている単語や文法など」です。
つまりこれまでの学習によってインプットした知識です。インプットの量が増えれば増えるほど、この知識データベースは広がります。
ここで注意点は2つあります。
①インプット以上のアウトプットはできない
②どれだけインプットを増やしても、それだけでは会話は上達しない
つまり座学も重要だけど、それだけでは会話は上手くならないということです。
会話ができるようになるには「インプットだけの勉強はそこそこで終わらせて、あとはアウトプットしながら学ぶべし!」ということです。
この「そこそこのインプット」にも様々な意見があります。
村長は②のインプットだけでは会話は上達しないという考えの方が好きなので、TOEICで450〜500点を取ったなら、あとはアウトプットに集中することが重要と考えています。
実際、そのように取り組んだ方のほうが、圧倒的に会話の上達スピードが早いです。
やるべきことは勉強(Study)よりも練習(Practice)です!
①音声知覚
音声知覚とは、聞こえてきた音を認知して、「何と言っているのか?」知覚するプロセスです。
例えば
「ワッウィルユードゥディスウィーケン?」と言われたとします。
これだけでは、音として聞こえてきただけで「何と言っているのか」はわかりません。言ってしまえば雑音が聞こえたのと同じようなものです。
ここから、知識データベースにアクセスをして知覚をします。
知識データベース:
ワッ→What
ウィルユードゥ→will you do
ディスウィーケン→this weekend
その結果、先程の文章は「What will you do this weekend?」と言っていたのだ、と理解できます。
②意味理解
続いて意味理解です。意味理解は、その名の通り聞き取った音声が「どんな意味を表しているのか?」を理解するプロセスです。
先程の例だと
音声知覚:「What will you do this weekend?」
知識データベース:
What→何を
will you do → する予定か
this weekend →今週末に
つまり「今週末に何をする予定か」と聞かれていると意味理解ができます。
この音声知覚と意味理解を瞬時に行うことができる状態を、リスニングが問題なくできる状態と言えます。
①概念化
概念化とは、「言いたいことを頭の中で漠然とイメージすること」です。
例えば、What will you do this weekend?(今週末は何するの?)と聞かれて、「テニスをする予定」だとします。
この、「テニスをする予定」と頭の中で考えることが、概念化です。
②文章化
文章化では、概念化でできたイメージを「具体的な文章にすること」です。
例えばテニスをする予定と回答する場合、
私は→I am
行く予定→going to
テニスをしに→play tennis
友達と→with my friends
これらを組み合わせて、I’m going to play tennis with my friends.という文章を、頭の中で組み立てます。
このように、知っている(=知識データベースにインプットされている)単語や文法、例文を使って文章にするのが文章化です。
③音声化
音声化とは、頭の中で文章化したものを、声に出すプロセスです。
つまり、先程頭の中で作ったI’m going to play tennis with my friends という文章を、声に出して相手に伝えることです。
ここでのポイントは発音です。
発音と聞くと、比較的多くの方がトレーニングを希望されますが、音声化の優先順位は最下位です。
- まずは一定の知識データベースを拡充し、
- リスニング(音声知覚と意味理解)ができるようになり、
- スピーキングの概念化と文章化がズムーずにできるようなったあとに
- 発音が問題で相手にうまく伝わらないときに、発音矯正などのトレーニングをやる
かっこいい発音に憧れる気持ちも理解できますが、今はグッと堪えましょう。
さて、具体的な目標を設定して、5つのプロセスについて理解が深まったら、次は今の自分の弱点を知ることです。
これには間違いなく、CEFR(セファール/セファー)という指標が最もわかりやすいです。
CEFRとは、「どれだけその言語を運用できるか」を表すもので、国際的な言語能力の指標としても使われています。
最近では文部科学省が日本教育の英会話力の測定にCEFRを使うと発表があり、この指標が注目されていることわかります。
では、どのようにして自分の現在地をCEFRで測定するのか。
村長のオススメは、レアジョブのオンライン英会話に毎月セットされているスピーキングテストです。
これは20分程度で測定可能なテストで、自身の強味と弱味が瞬時にわかる内容になっています。
評価項目は以下の全7項目です。
・総合評価
・表現の幅(知識データベース)
・正確さ(知識データベース・文章化)
・流暢さ(概念化・文章化・音声化)
・やりとり(知識データベース・概念化・文章化)
・一貫性(概念化・文章化)
・音韻(音声化)
この通り、スピーキング力+知識データベースの量を瞬時に測定が可能です。
レアジョブを受講している人は毎月受験が可能となるため、自身の現在地を測り、効果的な学習を進めるためにも、受験をオススメします!
→2022年6月追記:現在はPROGOSというスマホアプリで、誰でも無料でこのテストを受けることができるようになりました。
もっと詳しく知りたい!という方には、これに関する記事も書いていますので、御覧ください。

英語学習を始める前に、やるべき3つのことを解説しました。
- 目標を具体化すること
- 英会話の5つのプロセスを知ること
- 自分の現在地を測定すること
この3つをやることで、今の自分にとって効果的な学習がわかります。
・目標が決まれば、向かうべき先が決まり
・5つのプロセスを知ることで、必要な学習が絞られ
・現在地を知ることで、弱点をピンポイントで強化することができます
ご自身の目標に向かって、一緒に頑張っていきましょう!